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産土の神と先祖供養(慰霊鎮魂)

産土神は治める土地の住人だけでなく、人々のご先祖を導いてくれる幽世の神でもあります。

産土の神は亡くなったばかりの御霊を手取り足取り指導してくださり、浄化して輝ける御霊になり神様にお仕えする状態までの導きをして下さるのです。それが人を我が子としてお導きいただく親神と言われる所以です。

現代人は忘れていますが、先祖供養(鎮魂慰霊)はまず先に産土神にご先祖のことをお願いすることが第一です。それで幽世とのウケヒ(霊線が繋がる)ができます。

その後、ご自分の家のご本尊にお願いします。これは幽世の定めで、人は産土神の導きがあって御霊を鎮めることが出来ます。

寺院でも高野山は丹生都比賣神社、比叡山延暦寺は日吉大社など本山と呼ばれる古い寺院では、土地の神すなわち産土様の許しを得てそこで仏の教えを説いているのです。

死後の霊魂の状態は本人が生前どんな考えや暮らしをしていたのか、その心持ちはどうだったのか?ということに関わっています。常にも感謝と喜びを持ち、思いやりがあり親切で、誰からも好かれ、陽気で自分自身で悔い無く生きておられた。ご先祖が皆そうであれば良いのでしょうが・・・。

ご先祖があの世で幸せにしておられれば、いわゆる因縁良く、子孫は順風満帆の人生を送れるはずです。家庭であれ仕事であれ体調であれ自然にうまく運ぶようになります。ご先祖が不幸せな状態であれば、子孫は何事にも思い通りにならなかったり、不幸が続いたりするものです。

たとえば、ご先祖が生きてるとするなら危篤状態や溺れかかっている状態とします。ご先祖は苦しさのあまり救いを求めて藁をもすがる思いで子孫に頼ってきます。その折、子孫はご先祖の想いと波動を受けますので、とても子孫だけが安穏と暮らしては行けません。

思いもよらぬ不幸や災難に見舞われるご家庭では、神仏先祖のことにご無沙汰していたり、先祖祭祀に問題があることが多いものです。ご先祖の不幸せな境遇から来る想いや波動は、子孫に不幸災難、病気怪我をもたらします。そのことは先祖から子孫に対する救われたい為の祭祀要求の知らせなのです。

先祖からのお知らせは本人やその家族、関係者に起こり、気付かずにいると気付くまで繰り返されることがよくあります。まず精神状態に影響が出ますが、そこで気付かずにいると肉体に現れ体調不良や病気、また人間関係から来るトラブルなどに巻き込まれたりします。それで現象として形に現れる前に早く気がつくことが出来るように心がけます。そのためには普段より、ご自分を始め家族や関係者の精神状態、顔つき、言動の微妙な変化を感じ取れるようしておきましょう。回りの出来事に対して単なる偶然と思わず、感性豊かに気付くことが大切になります。

そして、常日頃から神仏先祖を充分にお祀りすることが何より大切なことです。

先祖のお祭りはきちんと欠かさずに行っていると思っている方も多くおられます。当然ご自分の先祖には何の問題も無いと思っておられるのです。しかし、この世の多くの刺激を受けて生きている私どもでさえ、考え方や感性を変えるというのはなかなか至難なことです。ましては亡くなった方が変わるには、子孫が神仏に真剣に時間をかけてお願いするしかありません。まず自分のご先祖が生前の苦しみから脱し、穏やかで清らかな御霊となっていただき、さらに輝ける神格を持つ御霊となっていただくようお祈りを続けます。実に慰霊鎮魂の祭祀は家の幸不幸、病、災難、栄枯盛衰に関わる重大事なのです。

この「親の因果が子に報う」と言われる、因果の法則は個人や家にとどまらず、地域、国、民族にも影響します。それで地域やひいては国においても重要な行事として行われてきました。春秋の彼岸やお盆などはその地域の各家庭で皆が一斉に先祖供養します。それは各家の霊魂の状態が各家庭にとどまらず、その地域全体の幸不幸(災禍厄難・豊作不作)に関わると考えられたからです。